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潤沢な民間資金をにらみ個人向けプライベートバンクサービスの激戦開始!!
外銀の人民元業務への参入本格化が火付け役―
【従来の資産運用方法】
【最近の資産運用の動向】 しかしながら、多くの個人投資家は、自分で個別銘柄に投資するよりも、投資信託を選択している。なぜなら、2006年でこそ一本調子の上げ相場であったが、それ以前は5年間の下げ局面で、多くの個人投資家は、仕手筋の暗躍、インサイダー取引の横行などのなかで膨大な損失を蒙っており、自分で個別銘柄に投資して高いリスクをとるよりも、専門家に任せたほうが賢明であるという認識が高まっていることが背景にある。 投資信託は、中国証券市場の主要な機関投資家として、2006年の証券市場において大変活発な動きをしていた。2006年に新規募集した投資信託は4028億元(6兆420億円)、過去8年分の合計金額に相当する。2006年末の投資信託全体の株式保有比率は77.6%、株式型ファンドの株式保有比率は84.2%であった。2006年第四四半期の報告書が初回の情報開示となった18の新規投資信託の発表によると、2006年末の株式保有比率は平均で86%、最も高かったものは94.7%に達した。18の新規投資信託が保有している株式全体の時価総額は733億元(1兆995億円)に達し、投資信託全体の六分の一に相当する。投資信託の高い配当率は投資家の更なる熱烈な支持を受け、2006年末、証券投資型の投資信託の規模は6208.5億元(9兆3127億5000万円)になり、2005年より31.7%も膨らんだ。新しい資金は絶え間なくA株株式指数を押し上げ、最高値を更新していった。このため、昨年は新規の投資信託を購入するために銀行、証券会社で列をなす大衆の姿が話題になった。
【外銀の動き】 個人向けにどんなサービスがお薦めですか?と聞いた所、三つの銀行からそれぞれ薦められた商品は以下の通りとなった。 1.東亜銀行:[指数鈎保本投資産品] (index-Linked Capital Protected Investment Product)2.スタンダード・チャータード銀行:[股票挂鈎投資] (equity-Linked Capital Protected Investment Product) 3.HANG SENG BANK:[股票挂鈎保本投資産品](equity-Linked Capital Protected Investment Product)
商品は三者三様だが、狙っているターゲットはどれも同じだ。外銀は、潤沢で余剰な国内資金に対し、これからも様々な金融商品と多様なサービスを提供して行くものと思われる。 更に、東亜銀行とスタンダード・チャータード銀行は中古住宅物件向けの外貨建て住宅ローンを始めた。 支店の人の話によると、外貨建てローンは人民元の切り上げを利用し、返済負担が少ない商品と言われた。借入額と返済額が外貨建てになる為、借入期間内に人民元が高くなればなるほど、人民元に換算した場合の返済額は減り、借りる人 にとって人民元建てローンより負担が軽くなるという。当然逆のリスクも存在 図:外銀理財商品の宣伝パンフ
するわけであるが。 今回、日本の銀行は取材できなかったが、日本の銀行も宝の山を放っておく手はないだろう。日系企業に対する業務を中心に規模を拡大している日系銀行であるが、今回ばかりは、相手が気心の知れた日系企業の財務担当者ではない。並み居る欧米系銀行、理財業務にも力をいれる地場銀行を相手に回し、どんな戦略をねっているのであろうか。日本の銀行の真価が問われている。 ビジネスチャンスは、時事通信社が発行している時事速報上海便に連載しております。 (毎月第四金曜日に掲載) |
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