・武漢艾可亜人材諮詢有限公司
                                                                                                                  中国企業による対日投資・M&Aは増えるか?
                                                                                                                  現在の中国企業の対日直接投資額は多いとは言えない。しかし今後、日本市場の開拓や技術獲得を目的とする中国企業の日本進出が増える可能性はある。対日M&A(企業の買収・合併)も、資本参加や資本提携などの形で増えていこう。

                                                                                                                  市場として日本をとらえ始めた

                                                                                                                  2007年の中国企業の対日直接投資額(金融を除く)は9,903万ドル(前年比1.0%減)で、全世界向け投資額に占めるシェアは0.1%にすぎない。

                                                                                                                  しかし日中両企業間の取引が深まるにつれ、既存の顧客(日本企業)との打ち合わせや、アフターサービス(顧客にトラブルが派生した際の対応)、新規顧客開拓や資材調達・製品購入などを目的に、日本で現地法人や支店を設立する中国企業が増えている。ここ5,6年の間、日本企業からオフショア開発を受注する中国のソフトウエア企業が相次いで日本へ進出したのはその例である。既に大手・中堅の中国ソフトウエア企業の多くが日本に拠点を設け、顧客である日本企業へのサポートを行っている。

                                                                                                                  一方、下請けの状態から脱し、日本市場に自ら参入するため日本に進出する動きもおきている。
                                                                                                                  北京に本社を持つ金山軟件(キンザンソフト)は2005年東京に現地法人を設立した。日本の一般消費者向けに、ウイルス対策用セキュリティーソフトウエアとフィス陽ソフトウエアを販売している。

                                                                                                                  これは、従来見られた顧客との打ち合わせやアフターサービスのための進出ではない。このような、日本を市場としてとらえ、消費者に直接、製品の販売やサービスを行うパターンが、ここ最近見られるようになってきている。

                                                                                                                  相互補完型の対日投資に可能性

                                                                                                                  中国企業による日本企業買収は、尚徳太陽能電離によるMSK(太陽電池メーカー)買収などの事例はあるが、その数は少ない。しかし、中国企業から日本企業への資本参加や資本提携を含めると、これからその数が増える可能性は十分にある。二中両国でコンサルティング活動を展開するアクアビジネスコンサルティングの高田勝巳社長によると、2008年に入ってKら、IT,
                                                                                                                  アパレル、建設、建材、不動産業などの中国企業から「日本企業を買収したい」という引き合いが出始めている。また、候補先の日本企業には、中国企業からの資本参加に抵抗感を持たない企業が以外に多いという。

                                                                                                                  「輸出相手国から、より安全かつ高品質な製品の製造を求められる中国企業にとって、日本企業の技術は魅力的。一方、日本の中堅、中小企業の中には、日本国内での行き詰まりの中で、国際市場へ展開するために中国企業の力が欲しい、と考える企業が増えている」(高田社長)のだ。
                                                                                                                  日本企業からの技術流出を懸念する声に対し、高田社長は、「中国企業が欲しがる技術は、日本では既に製品化され成熟した技術。それらは中国ではまだまだ市場があり、中国企業としても最先端の技術よりはかえって事業化がしやすい」とみる。そして「日本としては、最先端の技術で他国への優位性を維持するとともに、せい術技術を(日本企業の利益を確保した上で)中国に移転・活用すれば、むしろ国益にかなうのではないか。日本には、国内で成熟技術・製品を持っていても、成長性の高いアジア市場に十分アクセスできない企業がまだまだ多い。技術流出と否定的にとらえるのではなく、ウィン・ウィンの技術活用の道を日中で摸索できるはずだ」と、両国企業にとってメリットがあると語る。

                                                                                                                  金融危機により世界経済の流れが大きく変わったとしても、中国企業が日本の技術を獲得し、日本企業が中国での販路を拡大するという、両国の企業がそれぞれ必要とする部分を補完し合い方ができれば、中国企業による日本企業への資本参加や両国企業間の資本提携は、今後増えていくのではないか。


                                                                                                                   
                                                                                                                  CMSならドリーマASP